研究課題/領域番号 |
05640798
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
長谷川 政美 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (60011657)
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研究分担者 |
中村 文規 昭和大学, 医学部, 助教授 (30102346)
橋本 哲男 統計教育, 情報センター, 助手 (50208451)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 真核生物 / 初期進化 / ミトコンドリア / Elongation factor / Giardia / Entamoeba / Trypanosoma |
研究概要 |
ミトコンドリアをもたない真核生物の系統的位置を、保存的蛋白質のアミノ酸配列データに基づいて統計的に推定することを目的として研究を行なった。 ミトコンドリアをもたない原生生物、Giardia lambliaのElongation factor(EF)‐1alphaおよびEF‐2、Entamoeba histolyticaのEF‐2、さらにミトコンドリアを有する解析上重要となる原生生物であるTrypanosoma cruziのEF‐1alpha、のそれぞれに関して遺伝子解析を実施し、分子全体の9割異常にわたると考えられる部分のアミノ酸配列データを得た。これらのデータをもとに、アミノ酸置換に関するさまざまな確率モデルに基づいて、真核生物内部の系統関係を最尤法により検討した結果、以下のことが明らかとなった。(1)EF‐alpha、EF‐2に基づく解析から、現在配列の明らかとなっている原生生物のなかでは、G.lambliaが最も早く他の真核生物に至る系統から分岐したとする可能性の高いことが示唆される、(2)EF‐1alphaの解析から、T.cruziおよびEuglena gracilisは近縁であるが、これらが従来の小亜粒子リボソームRNA(SrRNA)の系統樹に示されるようにE.histolyticaの分岐よりも古いとする可能性は極めて少ないと考えられる、(3)ゲノムDNAの塩基組成値の種間での大きな偏りが、EF‐1alpha、EF‐2のアミノ酸組成値にはほとんど影響を及ぼしていないため、それが大きく影響していると考えられるSrRNAに基づく解析結果よりもこれらの蛋白質に基づく解析結果の方が信頼しうるものである。 さらに、EF以外の保存的蛋白質に関してもデータの収集に努め、一部についての解析を行なった。また、ミトコンドリアをもたない原生生物Glugea plecoglossiに関しては、現在、EF‐1alphaの遺伝子解析を実施している。
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