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類人猿とヒトの把握能力

研究課題

研究課題/領域番号 05640803
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 人類学(含生理人類学)
研究機関京都大学

研究代表者

木村 賛  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (20161565)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードチンパンジー / 精密把握 / 回転モメント / 利き手 / 樹上性
研究概要

ヒトの文明の基本の一つであるマニュピュレーション能力の起源を探るため、類人猿の把握能力についての検討を二つの側面より行った。第1にチンパンジーの握力、回転能力を実験的に測定しヒトと比較する試みを行った。第2にアフリカ大型類人猿の手の骨を計測し、特に弯曲と枝の握りとの関係について検討した。
第1の実験的研究には若成年メス2頭を用いた。慣性モメント既知の荷重の加わった各種径ハンドルを回させて、そのトルクと角速度とを測定した。チンパンジーはさまざまなやり方でハンドルを回す能力を持ち、精密把握で回すことができる。ただしチンパンジーの親指が他の4指より短く対向しにくいこともあって、親指を使った精密把握はハンドル径20mmでたまにみられたのみであった。精密把握能力はヒトのみの特性ではなく、少なくとも類人猿には基礎をもつことが示された。最大握力については最大を示している保証をえるのがむずかしく、いまだ充分な計測値をえるにいたらなかった。
第2の指骨計測は成年のゴリラのオス10、メス10、計20、ボノボのオス6、メス9、計15、チンパンジーのオス6、メス6、計12について行われた。中手骨、指骨の基節、中節の弯曲を測定した結果、これまで報告されているものとくらべ変量の幅の大きいことが示された。すなわちヒトとくらべ類人猿は弯曲が強いといわれてきたが、その差は少ない。骨の弯曲のみでヒトと類人猿との枝を握る樹上生活の差を論ずることの根拠は小さいと考えられる。このことは、チンパンジー3頭に各種径の棒を把握させた際のX線写真を解析した結果からも言える。すなわち骨格のみでなく、チンパンジーの厚い軟部組織が、枝の把握能力を高めていると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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