研究課題/領域番号 |
05650012
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
荻田 正巳 静岡大学, 工学部, 教授 (50006269)
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研究分担者 |
江上 力 静岡大学, 工学部, 助手 (70262798)
以西 雅章 静岡大学, 工学部, 講師 (80022317)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ホール効果 / 二周波交流法 / Ac-dc法 / 非線形性 / 液体状態 / 液体金属 / 磁気抵抗効果 / 電気伝導 / 擬似信号 / ac-dc法 |
研究概要 |
本研究は、1)二周波交流法による疑似信号発生原因、2)非線形性のホール効果への影響、3)ac-dc法の応用及び、この測定法の確率を目指すことを目的とした。研究成果は次のようにまとめられる。 1).測定試料または増幅器を含めた測定系に非線形要素が存在すると、二周波交流法では疑似信号を発生する。最も紛らわしくホール信号と区別し難い例は電極界面に発生する非線形成分で、外部磁界の大きさに対応して増大する。この場合疑似信号は高調波成分を伴い、符号は磁界の極性に対応しない。 2).液体状態ではローレンツ力により測定試料に外部磁界の大きさに対応した抵抗変化が現われる。10^7/Gの変化分が生ずる。固体状態または通常の半導体試料では測定誤差範囲内になり問題とならない。またGa、Hg、Naなど金属の液体状態では外部磁界の二乗に比例する信号が現われる。電解質水溶液でも同様である。これらの金属を固体状態にするとこの効果は消失する。固体状態でもFe、Niなどの強磁性体、InSbの半導体薄膜でもこの効果が生じ、ホール効果よりも大きい場合がある。 3).私達の提唱したac-dc法の測定では電極界面に非線形性があっても疑似信号を発生しない。磁界の極性に対応した符号を有するのでホール信号電圧と疑似信号とは明確に区別される。液体状態では外部磁界により発生する不要信号は、試料電流の測定周波数を1kHz以上に引き上げることによりほぼ熱雑音オーダーのレベルまで引き下げ、液体状態のホール信号電圧を測定することができた。 本研究成果の上に今後発展を望むには、直流に近い周波数での正しいホール信号電圧の測定、外部磁界の二乗成分の発生原因及び機序、自動真偽判定及び評価、などが解決されるべき課題となる。
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