研究課題/領域番号 |
05650024
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
村上 英興 東京学芸大学, 教育学部(第三部), 教授 (30011000)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 表面物性 / ポーラスシリコン / ポジトロニュウム / 陽電子 |
研究概要 |
1.電気抵抗が異なるシリコンウェハ-を使って、弗化水素酸をもちいた陽極化成法によりポーラスシリコンを作成した。 2.電気抵抗が2Ωcmと高いウェハ-から作ったポーラスシリコンでは、真空中で、オルソポジトロニュウムの形成・消滅に対応する45-35nsの長寿命が明瞭に観測された。ポジトロニュウムの寿命長さが酸素や窒素の雰囲気ガスにより変化することから、このポジトロニュウムは孔内に存在していることが結論できた。 3.温度が12Kから300Kへ上昇するにつれて、ポジトロニュウム寿命長さが短くなり、ドップラー拡がりが狭くなることがわかった。このことから不対電子密度が高温で高くなりポジトロニュウムのスピン交換が高温で早くなることが明らかになった。 4.抵抗が0.02Ωcmのように低いウェハ-から作ったポーラスシリコンではポジトロニュウムの生成を示す長寿命成分はあらわれなかった。ポーラス層の表面積密度および表面電子状態が電気抵抗、すなわち添加元素の量に依存する事がわかった。 5.両試料において観測された0.5ns近傍の寿命長さは、温度が上がるにつれて長くなり、これは陽電子の表面への拡散と捕捉ポテンシャルの低い小さな欠陥から陽電子の離脱の温度依存性から説明できた。 6.金属薄膜を孔表面にはることを試みたが、ウェハ-の片側のみが、ポーラス層になっている場合には、孔内部までは金属蒸気が侵入しなかった。ポーラス層がウェハ-を全厚にわたって貫いている試料を作成して、これに金属蒸気を通過させて金属薄膜量子孔を作ることを試みている。
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