研究課題/領域番号 |
05650045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山下 正文 東京理科大学, 理工学部, 講師 (80089383)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 錫フタロシアニン / 有機半導体 / 光伝導 / 分子配向 / 光吸収分光 |
研究概要 |
錫を中心金属にもつ錫フタロシアニン(SnPc)はSnの原子半径が大きく、フタロシアニン環の平面からSnが飛び出たサテライト構造を取るため、構造の異方性による光-電気特性について研究を行った。 1.光-電気特性を大きくするためには蒸着膜有機分子配向の制御が必要であり、どのよな配向が最適であるかを検討しなければならない。何も施さないガラス基板面に蒸着した場合に作成された膜は、X線回析から多結晶状態になっている。一方、ラビング処理をしたポリイミド膜の付いたガラス基板面に蒸着した膜では、Pc分子のb軸間隔に相当する回折角に鋭いピークが得られ、ドメインの配向とともに結晶化が進んでいることが見いだされた。次に、分子配向にともなう光学特性として、光の偏光方向により吸収度のピーク波長とピーク値に50nm程度の差があることが得られた。また、蒸着温度、蒸着速度、基板温度を変化させることで、Q-バンドがピーク波長700nmのものと830nmのものとに分離することが観測された。これらの現象は、蒸着時における配向分子のスタッキングの違いによるものと考えられる。 2.(金属/SnPc/金属)のサンドイッチ型セルを用いたレーザー光の照射によるSnPcの光-電気特性の測定より、分子配向性をあげたセルの光起電力および光応答速度が2倍以上大きくなり、結晶化によるキャリア移動度の増加によるものと推測した。 3.以上の実験結果を基に、錫フタロシアニン分子配向制御および(金属/SnPc)界面における酸素の影響を解明し光-電気変換効率の向上をはかるとともに、配向基板を用いた蒸着膜の三次の非線形光学感受率chi^<(3)>の測定を行い平面分子構造の他のフタロシアニンと比較する準備を進めている。
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