研究概要 |
(1)電子線励起超音波信号の検出・増幅系についてS/Nの改善を行った後、Siトランジスタ・チップ試料にバイアス電圧(Vb)を印加して、素子を動作状態におき、(2)表面像(SEMモード)で観察場所を選択した後に、(3)電子線超音波顕微鏡(EAM)に切り替え、EAMによる非破壊・内部観察像で、SEMで選択した場所を EAMモードでその場観察を行なった。 結果は以下のとうりである: (a)電子線励起超音波信号の増幅器の改良し、EAMの画質、分解能を損なうこと無く、励起電子線の吸収電流を8〜12X10^<-10>Aに減少させることができた。これは従来の吸収電流の約1/2〜1/3の減少に相当する。これは、照射電子線による試料の損傷を減少させるので非常に有効である。 (b)電子線断続周波数:1MHzで分解能:〓0〜〓0mumが得られた。吸収電流を減少させたにも関わらず、分解能は向上でき、我々の既報の〓4mumを上回るものである。超音波信号の検出・増幅系の改良の成果である。 (c)EAM像のコントラスト変化から非破壊で試料内部での電位分布を知ることができた。 (d)HV変更によるEAIから断面プロファイルについての情報が得られることができた。 吸収電流の減少は、照射電子線による試料損傷が軽減でき、MOS-LSIの観察に不可欠の要因の一部が解決したことになる。今後、分解能を〓5mum以上にできれば、MOS-LSIの評価・故障解析に有効な手法となろう。 成果は、物理学会秋の分科会(13p-PSB-9)[岡山大]、第13回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジュウム(C4)[横浜]で報告した。更に,成果をJpn.J.Appl.Phys.に投稿中である
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