研究概要 |
独自に設計・試作した測定装置によりPS/SBR,PS/BR,PC/PMMA及びPET/PP各種ポリマーアロイの相分離挙動を光透過法で、p-v-T特性を等温法でそれぞれを測定し、実験的に検討した結果、以下の成果を得た。 1.ポリマーアロイの光透過法による相図 PC/PMMAにおいては明らかなLCST現象を示した。またそれらのモルフォロジーは、分離前の成分ポリマーは微細に分散するが、分離後は著しく偏析し、凝集する。PET/PPの相図は組成比に依存して不規則変化し、成分ポリマーは粒状に分散する。 2.ポリマーアロイの熱物性に及ぼす組成比の影響 ガラス転移温度、融点及び比熱は一つのDSC曲線上にベースポリマー固有のものに近い二つの吸熱又は放熱ピークを示し、非相容性アロイの特徴を示す。さらに、PS/SBR,PC/PMMAの相分離前と後のガラス転移温度は、前者のPS/SBRでは分離後のものが低く、PC/PMMAではあまり変わらない。 3.モルフォロジーと機械的物性 モルフォロジーによるPET/PPアニーリング後の成分粒子は前のものに比べて微細に分散することにより、引張強さ(1.2〜2倍)と弾性係数は高くなるが、伸びは小さい。しかし、他のポリマーアロイのアニーリング効果は小さい。 4.p-v-T特性に及ぼす組成比の影響 PET/PPのp=0におけるv-T曲線はPET,PP自体のv-T曲線の間にある。固体状態の圧縮率はPETの量が増加するにつれて増大し、高温液状下では減少する。PC/PMMAにおいて状態式による計算値と実験値は±2.5%で一致する。圧縮率は各温度下でPMMAの組成比が10〜40wt%のとき何れのベースポリマーより小さくなることが分かった。
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