研究概要 |
(1)直交2軸の水平多関節型位置決め装置の先端に,開発した積層形圧電素子を用いたマイクロインパクトハンマー(MIH)を装着した.この装置をもちいて,治具ベースプレート上にボルト締結された部品の平面内における位置偏差および姿勢偏差を組立誤差の許容値内に収めるよう自動微小調整させた.その結果,開発した装置により,初期偏差として位置偏差30μm,姿勢偏差0.001radをもった治具部品を,位置偏差5μm,姿勢偏差0.0002radの組立誤差許容値内に安定して調整できることを実験的に確認した. (2)一般的な機械部品の調整アルゴリズム構築を目的として,複数の締結部品のそれぞれの位置,姿勢偏差からそれらの組立誤差の最大値を3次元的に解析可能な手法を開発した.すなわち,個々の部品の偏差を3次元微小座標変換で表現し,組立品におけるそれらの累積値を線形計画法により効率的に算出する方法を提案した.さらに,組立誤差を許容値内に収めるために,個々の部品の位置・姿勢偏差の許容値である寸法公差値・幾何公差値をどのように配分すべきかについて理論的考察を行い,これを非線形最適化問題として表現し,遺伝的アルゴリズムによりこの問題を有限時間内に解くための手法を提案し,加工コスト・組立コスト・検査コストの和が最小となるような公差値を導出するためのシステムを作成した.
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