研究概要 |
本研究は,切れ味がよいが形状精度が悪いという欠点を持つ,電着超砥粒ホイールの問題を解決するために,新しく考案した,高精密電着超砥粒ホイールの製作法を確立し,その後,その砥石の研削性能を明らかにすることであった. 新しい砥石製作法とは,超精密エアスピンドル上で超精密切削された金型を用いて,砥粒層を遠心鋳造したのち,電気メッキすることによって,高精密な電着超砥粒ホイールを製作する方法であった.この方法により製作された砥石は,金型の形状が砥石表面に正しく転写され,砥粒切れ刃高さのばらつきがせいぜい数μm以内となり,高精密砥石を得ることが出来た. つぎに,上述のように製作された,高精密電着超砥粒ホイールの研削機構および研削性能を明らかにするために,実際の研削を行った.厚さ1〜2mm程度の薄板状焼き入れ鋼の平面プランジ研削を行い,高応答研削動力計を用いて,瞬間研削力を測定し,その変化を測定することにより,有効砥粒切れ刃の分布を調べた.また,各種研削条件を替えて実験を行い,砥石損耗と砥粒突きだし量との関係などを検討した.その結果,有効切れ刃の分布はかなり均一であり,比較的重研削条件下でも良好な仕上げ面を得ることができた.また,砥粒突きだし量が砥粒径の1/4〜1/3のときに,砥石損耗がもっとも少ないことがわかった.
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