研究課題/領域番号 |
05650124
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作・生産工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
三井 公之 慶應義塾大学, 理工学部・機械工学科, 教授 (90219668)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 回転精度 / 光計測技術 / ラジアルモーション / 4分割フォトダイオード / レーザーダイオード |
研究概要 |
現在、高精度の回転軸の評価に用いられている測定法では、センサとして、静電容量形微小変位計を使用する場合がほとんどである。最近の超精密回転軸の測定では、軸の性能が非常に高くなってきているために、回転誤差の値が静電容量形変位計の測定分解能とほとんど同程度の場合も見られるようになってきている。このため、新しい回転精度測定法の開発が必要になってきた。また、静電容量形変位計の出力信号には、NC装置やダイレクトドライブモータからの電気的ノイズが重畳し、高精度測定の妨げとなることも、高精密な回転精度測定の障害となっている。 この様な観点から、本研究では光による回転精度測定方式として、測定対象回転軸の軸端に凹面鏡を取り付け、この凹面鏡の変位を半導体レーザを光源とした光学系にて測定し、軸のラジアルモーションを求める方式の開発を行った。 研究計画は以下の項目に従って推進された。 1)計算機シミュレーションに基づき光学系の設計を行い、測定分解能1nm、測定範囲10mum程度を目標に、対物レンズの焦点距離と凹面鏡の曲率半径、各光学部品の配置、ならびに光センサの位置を決定し、測定装置を試作した。 2)回転精度評価対象の回転軸を試作した。測定対象の回転軸は実験システムの簡素化を図るために転がり軸受け主軸とし、回転精度0.5mum程度を目標として製作した。開発した測定装置ならびにマスターボールを用いた従来の測定法による測定の結果より、ほぼ目標どうりの性能を持つことを明らかにした。 以上、本研究は光学的測定法に最新のセンシング素子を導入し、測定精度の飛躍的向上を達成することを目標として行ったものである。光センシング素子として、4分割フォトダイオードを使用し、差動演算方式のアナログ信号処理系を構成することにより、電気的ノイズを低減することができた。特徴としては、上記ノイズ低減効果の高い測定法の実現を可能としたほか、同一の装置で様々な精度の回転軸の評価に使用できる性能を有することが挙げられる。また、計算機シミュレーションにもとづく設計技術を確立したことにより、将来的には軸のラジアルモーションの評価のみにとどまらず、チルトモーションやアキシャルモーションの評価にも拡張することができる。
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