研究課題/領域番号 |
05650135
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
熊谷 一男 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (10005225)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 強磁性材料 / 磁気効果 / アブレシブ摩耗 / 研削加工 / 交流磁場 / 磁束密度 / 磁化周波数 / 研削効率 |
研究概要 |
凝着摩耗に関して筆者は、磁界は摩耗粉の酸化と微細化を促進し、結果的に凝着摩耗を減少させることを報告した。しかしこのような現象は、言わば磁場の二次的な効果であって、直接的な効果は、摩耗粉の介在することの少ないアブレシブ摩耗に顕著に現れるものであり、アブレシブ摩耗量は、塑性流動圧力P_mの小さい軟らかい材料ほど大であるとされていることから、磁場が材料を軟らかくするのであれば研削効率を向上させることが可能であると考えた。 本研究の目的は、上述のアブレシブ摩耗に及ぼす磁気効果を明らかにし、その結果を研削加工効率向上の手段として利用するための基礎的な資料を得ることである。 そのためにまず、磁化したピンをエンドレスベルト研磨紙で研磨する、磁場内アブレシブ摩耗試験機ならびに磁化のための周波数変換器を試作した。 実験の結果、交流磁化の強いほど、磁化周波数の高いほど摩耗量は増加し、磁気効果を認めることができた。 そしてその効果は、振動する磁壁と転位との間の弾性相互作用による可動転移密度の増加とΔE効果との相乗作用による、材料の軟化によってもたらされたと説明し、磁化による硬さの減少によってこの考えを立証した。 さらに、研削加工のような高い摩擦速度における磁気効果を検討するために、卓上旋盤を改造した磁場内研削加工試験機を試作して実験を行った。その結果、磁気効果は摩擦速度に大きく存在し、摩擦速度の速いほど小となり、150m/minでは1%以下にまで減少することがわかった。その原因としては、磁壁の移動速度がそれ程には速くないことが挙げられる。 しかし研削あるいは加工速度が遅い場合には数%の効果がみられるので、その有効利用については、一層の検討が必要であると考える。
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