研究概要 |
超音速エアジェットによる固体材料の加工技術は,ウォータージェットによる加工と比較すると、設備が小型軽量で安価であり、水源を必要としないなどの特徴があるため、新しい方式のジェット加工技術として期待されているが,一方において空気の密度が小さいため加工能力には限界があった。よって、本研究は、超音速エアジェットに液体を混入させこれを加速して高速状態で固体材料に衝突させることによって、加工能力の向上を図ることを目的としている。その研究成果は次のとおりである。 (1)のど部直径1mm,出口直径4mmの超音速ノズルを製作し,最初に3ないし5MPaのノズル圧力のもので超音速エアジェットの形成状態を、シュリーレン法およびバックライト法により詳細に観測した。次に,スロート部下流のノズル内に水を導入した。超音速ジェットの状態は良好に維持されたが,水は滴状にならず霧状になることが判明した。水の導入方法について様々検討の結果,ノズル出口の下流部において噴流軸方向に水を導入する方法が最も適当であることを見出した。 (2)超音速ジェットによる加工実験のための固体材料として発泡ポリスチレン樹脂を取り上げ、ノズル入口圧力12MPa,トラバース速度1〜5mm/sのもとで切断実験を行った。その結果,超音速ジェット加工においても,ウォータージェット加工の場合と同様に,切断面に縞模様の粗さが発生することを発見した。次にその縞模様の波長特性を様々の実験条件のもとで定量的に明らかにした。
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