研究課題/領域番号 |
05650161
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岡島 厚 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80013689)
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研究分担者 |
木綿 隆弘 金沢大学, 工学部, 助手 (40225107)
上野 久儀 金沢大学, 工学部, 教授 (80019752)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 油空圧システム / 騒音測定 / 数値解析 / キャビテーション / 油圧制御弁 / 有限体積法 / 騒音低減 / 弁形状 |
研究概要 |
本研究は、弁の低騒音化に対し、流れから見た最適な弁設計指針を得ようとするものである。まず、ポペット形弁に関しては、4種類の弁形状についてレイノルズ数約10^3で数値シミュレーション及び騒音試験を行い、流動パターンと騒音試験結果と良い一致を見出した。両者の結果から、騒音の主因はキャビテーションによって生じ、騒音強さはポペット及びスリーブの形状に強く依存して変化することが分かった。また、大きい弁室形状はキャビテーション抑制に役立ち、さらに2段絞りは周期的渦発生を抑制することによって圧力変動の減少に効果的である。一方、膨張弁の場合、頂部が切り落とされたポペットによる縮小流れとして、種々の弁開度に対し、層流および乱流(k-ε法)の場合につき数値計算を行った。層流では、ポペット下流の中心軸に沿って強い渦列の放出が見られ、圧力変動も大きくなる。k-ε法よれば、ポペット頂部から剥離したジェットは弁室壁に再付着する結果、ポペット直後に再循環領域が現れ、弁室圧力変動も小さくなる。これらの結果は可視化実験とも比較され、良い対応を得た。次に、スプール弁に関して、種々の弁形状における流れの数値流動シミュレーショを行い、各弁開度における静的な特性、そして弁が開閉運動する時の流れパターン、軸力およびジェットの流出入角度の変動などの動的な特性を明らかにした。静的な特性としては、弁の流入方向の正逆によって流動パターン(再循環領域の大きさ)が変化し、ジェット流出入角度が異なり、流体力の大きさが異なることを見いだした。さらに、弁ポートのラップ量管理のため一般に弁ポート端には中ぐり加工が施されているが、この加工深さの軸力や流れ挙動に及ぼす影響を明らかにした。さらに動的な特性として、弁体が開閉運動する際の非定常動動パターン、流動力変動を計算し、弁角部から生成する渦と高周波の流動力の流動成分との対応を明らかにした。実験は実物弁と半割モデル弁模型を用い、数種の弁開度に対する軸力をロードセルで測定し、数値計算結果と比較した結果、良い一致を見た。半割モデルによる流れの可視化や騒音測定も行い、実験結果と比較して、シミュレーション結果は定量的にもかなり良い結果を得、数値シミュレーションは層流、軸対称流れを仮定しているが、ポペット弁やスプール弁の弁運動する場合、弁内流動シミュレーションにも十分適用できる数値シミュレーション法を確立した。以上の結果は、関連学会で5編の発表論文として公表した。
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