研究概要 |
軸対称放物面反射板に平面衝撃波が入射し反射する過程を,ダクト壁面と反射板底部での圧力測定,光学シャドウグラフによる可視化実験,および数値解析により解明した.また,入射衝撃波が強い場合,振動緩和を考慮した数値解析により解明した.それらの結果を次のようにまとめることができる. 1.入射衝撃波マッハ数3としたダクト壁面での圧力履歴測定は,反射衝撃波の到達が明確でない点を除いて数値解析結果とよく一致した. 2.反射板底部での到達圧力測定は,数値解析結果を圧力センサーの表面積で平均した値と一致した. 3.入射衝撃波マッハ数1.13とした光学シャドウグラフによる可視化画像と,コンピュータシャドウグラフはよく一致した.その結果,反射板凹部での衝撃波挙動に対し,数値解析による解明が有効であることを確認した.衝撃波収束は,反射衝撃波とそこから反射板方向に伸びる圧縮波との三重点が,中心軸上で衝突することにより達成されるというメカニズムが明らかになった。 4.振動非平衡流れにおいて,気体力学的焦点での到達圧力,温度は,振動凍結流に比べ低くなる. 5.振動非平衡流れにおいて,振動凍結流で観測された,気体力学的焦点での鋭い圧力ピークは,入射衝撃波が強くなると現われなくなる.今回の計算例では,入射衝撃波マッハ数が5以上になると,圧力ピークが観測できなくなり,気体力学的焦点が定義できなくなる. 6.振動非平衡流れにおいて,気体力学的焦点が定義できるとき,その位置は振動凍結流の場合とほとん同じである. 7.振動非平衡流れにおいて,反射衝撃波の進行速度は,振動凍結モデルに比して遅くなる.
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