研究課題/領域番号 |
05650296
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高井 吉明 名古屋大学, 工学部, 教授 (50109287)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 気相成長高分子 / レジスト / 高温超伝導体 / 微細加工 |
研究概要 |
平成5年度における当初の研究計画に従って以下の結果を得た。 1)高純度エピタキシャル薄膜の作成 昇華炉及び分解炉を備えた石英製円筒型真空炉を作製し、原料のDPXから、高い重合度を有しかつ、表面平滑性に優れたPPX薄膜を作製するための条件を策定した。その結果、昇華炉の温度分解炉の温度をそれぞれ130℃、650℃とし、炉の長さを25cm、50cmとすることが必要であることが判った。また得られた薄膜を微細加工のマスクとして使用するためには重合時の酸化による架橋を防ぐ必要があり、そのため、バックグラウンドの真空度として10^<-6>Torr程度にする必要があることを明らかにした。 2)PPX薄膜の微細加工用レジストへの応用 こうして得られたPPX薄膜に低圧水銀灯を用いて254nmの紫外光を照射しパターン転写性能を評価した。条件としては薄膜の厚さ、照射温度が重要である。通常用いるレジストは1μm程度の厚さで使用することが多いが、今回のPPX薄膜は耐イオン照射性に優れ、また化学的にも安定であるので300nm程度の厚さが最適であった。厚さがあまり厚いと露光時間が長くなり、不適切である。照射温度はより高温の方が露光時間が短くなるが高温超伝導体やその他の素材への影響を考慮すると150℃以下が望ましくこの温度範囲で条件の最適化を行った所、1μm程度のパターンは転写が可能であった。 3)高温超伝導体への応用 現在の微細加工では高温超伝導体は水やアセトンなどの有機溶媒に浸積する事によって劣化しやすいため、出来る限りこの浸積時間の短縮とプロセスの改良を試みている。それに対し、この研究で用いた手法は全ドライプロセスであり、必要なのは紫外線と酸素だけである。この特性を利用して、実際にパターニングをして臨界温度、臨界電流の評価を試みた結果、そのいずれも顕著な劣化が見られなかった。
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