研究課題/領域番号 |
05650305
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 博明 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90144443)
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研究分担者 |
服部 公則 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80228486)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アモルファス半導体 / 構造乱れ / 偏光エレクトロアブソ-プション / フォトフレクタンス / バンド端電子状態 / 移動度 / 偏光エレクトロア-ブソ-プション / 偏光エレクトロアブソープション / フォトレフレクタンス |
研究概要 |
偏光エレクトロアブソ-プション法を駆使して、a-Si系材料の成長条件や組成、熱および光照射条件と構造、電子状態(平均自由行程およびバンド端指数関数テイル幅など)とキャリア輸送特性との関連性を議論し、成長条件の最適化ならびに光誘起構造変化の物理を理解を深めるための基礎データを揃えた。また、ドープされたa-Si(n型)においてホール移動度を測定し、新しく構築した乱れ糸でのホール伝導度理論に基づく解析により、電子のキャリア平均自由行程およびバンド移動度を求めた。さらに、この結果と偏光エレクトロアブソ-プション法からの情報と組み合わせることによって、電子、正孔のバンド移動度を分離して決定するとともに、吸収端領域での平均双極子遷移行列要素を推定することができた。平均双極子遷移行列要素ははほぼ10Å^2とこれまで報告されている値であることが確認されている。基板温度を変化させた一連のa-Siにおける評価の結果、キャリア平均自由行程およびバンド移動度は、一般にデバイス応用にたいして最適(構造欠陥が最小値)とされる温度領域(約200〜250℃)において最大値を取ることが見いだされた。また、成長時に構造緩和の生じにくい低温成長された材料においても、水素が脱離しない温度(約350℃)までの熱処理で、構造緩和の促進に基づく構造乱れの緩和により、バンド移動度が改善されることが確認された。さらに、n型ドープa-Siにおいては、ド-ピング量の増加にともない、バンド移動度、特に電子の移動度が大きく低下することが発見された。従来このようなド-ピングによる輸送特性の劣化はランダムに配置した荷電不純物や欠陥が誘起する長距離静電ポテンシャルのゆらぎに原因するとされてきたが、本研究の新しい結果は、これがむしろ配位数の異なる不純物の導入に基づく微視的構造乱れに直接の原因があることを示している。
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