研究課題/領域番号 |
05650392
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 伊織 京都大学, 工学部, 教授 (40026076)
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研究分担者 |
加納 学 京都大学, 工学部, 助手 (30263114)
長谷部 伸治 京都大学, 工学部, 助教授 (60144333)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 品質モデリング / 品質制御 / オンライン状態量推定 / ニューラルネット / 重合反応器制御 / quality modeling / MFR / High density Polyethylene Process / Midel predictive Control / Multilate control / Kalman Filter / SPC / quality surveillance system |
研究概要 |
本研究グループでは、高分子製品に要求される、艶、Melt Index(MIと略記)、硬さなどの品質を作り込むためには、分子量分布等の高分子重合物性がどうあるべきか、さらにはそのような物性をもった製品を製造するために反応装置の温度、圧力、反応器内のモノマー濃度などというプロセス変数がどうあるべきかという問題を取り上げ、さらには、そこで得られた所定の温度、圧力等の状態変数の値を速やかに実現するための制御系の開発をも目指してきた。一昨年度までに、ポリエチレン重合反応プロセスにおけるMIの現象論に基づく品質モデルを、導きだし、そのモデルをもとに、5分毎にプロセス変数のデータからMIを推定することのできる品質推定システムを構築、実プロセスに装備して、その評価をおこない、品質モデリング・品質制御システム設計の第1フェーズを終えた。当該年度は、研究の第2フェーズとして、物理化学的なモデルの導出が非常に困難なプロセスを対象とした品質モデリング手法の確立を目指した。そこでは、Wave-Netという新しいニューラルネットを使い、プロセス変数データから品質を予測できるモデルをデータより構築することを試みた。その結果、ニューラルネットワークをベースに、ポリマーの品質特性であるMIをオンライン推定する機構を開発できた。そのオンライン推定機構では、まず、1サンプリング時間(1ステップ)先を予測できるウエーブネットモデルを用いて、複数ステップ未来にわたるポリマー品質を予測可能とするとともに、瞬時に生成したポリマーのMIと反応プロセスの状態量との関数関係を、オンライ測定されるプロセスの状態変数および不定期に計測されるMIの時系列データから適応的に学習できるようにしている。このようにして開発された、ウエーブネットをベースにしたオンライン推定システムでは、MIを十分な精度で推定することができ、物理モデルの導出が困難なプロセスに対する品質制御のための重要な要素技術と成りうることを明らかにした。
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