研究概要 |
本研究の目的は,建設副産物のリサイクルを促進するため,圧縮強度レベルごとに区分したコンクリート塊を破砕して再生粗骨材を製造し,これを超硬練り貧配合コンクリートに用いるための基礎資料を得ることである。このため,材令28日の圧縮強度が248kgf/cm^2および580kgf/cm^2の原コンクリート(製造後約1年経過)を用いて2種類の再生粗骨材AおよびBを製造して,各種試験を行い,次の結果が得られた。 (1)再生粗骨材のモルタル付着率,比重および吸水率は,それぞれA:48.0%,2.32および6.96%,B:53.2%,2.37および6.39%であって,原コンクリートの強度が大きいほど品質が若干良好であった。 (2)再生粗骨材,川砂,普通セメント,AE剤を用いて,VC値20±5秒,空気量5±1%,W/C=60〜80%,単位水量107〜109kg/m^3の超硬練り貧配合コンクリートを製造した結果,目標VC値および空気量とするのに,W/Cを10%増加すれば細骨材率と単位水量をそれぞれ2%および1kg/m^3増加すれば良いこと,再生粗骨材種別が異なっても配合に差がないこと,川砂利を使用する場合と比較して単位水量が3〜4kg/m^3程度増加することが明かとなった。 (3)W/Cおよび単位水量が一定の超硬練りコンクリートでは,細骨材率が5%増加するとVC値は10〜15秒程度増加し,締固めにくくなり,W/Cが60,70および80%のとき目標VC値が得られる細骨材率はそれぞれ36,38および40%となった。 (4)材令28日の圧縮強度は,粗骨材Bを用いた方がAを用いた場合より大きくなった。また,W/C=70および80%では,骨材AおよびBを用いたコンクリートの圧縮強度が川砂利の場合と同等以上となった。 (5)弾性係数は,骨材Bを用いた方がAを用いた場合より大きいが,川砂利を用いた場合と比較して両者とも10〜20×10^3kgf/cm^2程度小さくなった。
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