研究課題/領域番号 |
05650452
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
馬場 俊介 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10111832)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 土木史 / 歴史意匠 / 景観デザイン / 近代橋梁 / デザイン・モチーフ / 近代土木遺産 |
研究概要 |
平成3・4年度の科研費・一般研究(C)で実施された近代土木遺産の中部5県調査により、1842件の現存する構造物(明治〜昭和戦前に造られたもの)の実態が明らかになった。これらの構造物は、技術的な側面と意匠的な側面から体系化と評価が行われることになっていたが、平成5年度には、もっぱら意匠的な観点からの分析を目指した。調査対象となった橋梁だけでなく、他地域の代表的橋梁の古写真も使って、戦前の橋梁意匠のデータ集を作成した。そして、橋梁の意匠要素として、(1)桁橋については高欄・親柱と橋脚、(2)トラス橋については主としてポータル、(3)アーチ橋については開口部とアーチリブなどに注目し、定番的な形、建築分野での流行の反映、地域的な系譜などの実態を明らかにした。結果は、同上中部5県調査の意匠評価に利用されただけでなく、平成5〜7年度の科研費・総合研究(A)で実施中の全国調査のマニュアル『(1)用語・図解集,(2)調査カード記入要領 名称/形式/諸元』にも反映されている。 また、景観設計への応用という観点からは、「歴史的意匠の現代デザインへの昇華」というテーマの具体化に努めた。歴史的な意匠デザインが巧みなフランスを中心に、過去のモチーフを上手にアレンジして新しいデザインを作り上げた例を収集した。同時に、上記の近代土木遺産調査により明らかとなったわが国の歴史的橋梁意匠について、「きわめて日本的」で「現代に反映可能」なモチーフを集めた。結果として、(1)わが国固有の親柱、(2)木組み風の高欄、(3)井桁状の橋脚と支柱、(4)その他の地域性・時代性に溢れる意匠などを、有望な歴史意匠のモチーフとして抽出した。 最後に、橋梁以外の近代土木構造物の意匠についても、体系化と評価のためのデータ収集と分析を行い、景観設計への応用に通ずるモチーフの抽出を行った。
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