研究課題/領域番号 |
05650531
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田才 晃 東京大学, 工学部, 助手 (40155057)
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研究分担者 |
小谷 俊介 東京大学, 工学部, 教授 (30133101)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 付着割裂破壊 / 付着抵抗成分 / 横補強筋 / 摩擦係数 / ダボ作用 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート部材の主筋の付着耐力に寄与する抵抗成分を定量的に把握することを目的として、主変数を横補強筋量とした主筋列を直接引抜くタイプの試験体を作成し、主筋列に単調な引張力を与える実験を行った。試験体は全て主筋配列面で全割裂き破壊した。 最大耐力に至るまでの付着抵抗機構を、鉄筋とコンクリートの摩擦抵抗作用に着目して、次の3つの機構の和としてとらえることができると仮定した。(1)横補強筋の拘束力による摩擦抵抗、(2)横補強筋のダボ作用による抵抗、および(3)コンクリートの拘束による摩擦抵抗。横補強筋応力に基づいて、これらの各抵抗成分を求めることを試みた。まず、補修前の試験体について各横補強筋の各加力ステップにおける軸力の最大値およびせん断力の最大値を全横補強筋について加算し、それぞれその加力ステップにおける拘束力N_Sおよびダボ作用による抵抗力T_Dとした。主筋材軸に関する見掛けの摩擦係数を(T-T_D)/N_Sとして求めた(T:全引張力)。この見掛けの摩擦係数は、最大耐力に至るまでは横補強筋による拘束の効果とコンクリートによる拘束の効果を同時に含んだものであるが、最大耐力以後は横補強筋の拘束の効果を表現したものと考えられる。どの試験体も最大耐力直後に見掛けの摩擦係数はほぼ2となり、主筋のふしの抵抗機構より予測した値と一致した。この摩擦係数の値を用いて、横補強筋の拘束による付着抵抗成分を求め、さらにコンクリートの拘束による抵抗成分を求めた。 その結果、コンクリートの拘束抵抗は、横補強筋量に拘らず最大耐力発現時よりはるか以前に最大値に達し、またその最大値は横補強の無い試験体の付着割裂強度よりも低く、その傾向は横補強筋量が多いほど大きかった。横補強筋のダボ作用による抵抗成分は補修にかかわらず無視して差し支えない程度に小さかった。
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