研究概要 |
1.高温時の鋼圧縮材の座屈実験システムの構築 本実験システムによって、直径30cm×高さ100cmの円筒炉に入る鋼柱試験体を、最高800°C程度まで加熱した状態で、最高200ton程度の荷重を載荷することが可能となった。 2.高温時の矩形断面鋼圧縮材の座屈実験 (1)一定高温度・荷重載荷座屈実験 4種類の細長比lambda=0.4,0.6,0.8,1.0の試験体に、4種類の一定試験温度T=20,400,500,600°C下で荷重を載荷して、荷重変形関係を記録するとともに座屈挙動を観察した。本実験により、定常温度状態での矩形断面鋼圧縮材の座屈挙動実験データを得ることができた。また、各試験での座屈荷重を各温度における座屈曲線にまとめ、座屈荷重の温度依存性の特徴を明らかにした。 (2)一定荷重載荷・漸増温度座屈実験 細長lambda=0.4の試験体に、一定荷重を載荷した状態で、電気炉の温度を漸増させ、柱試験体が荷重を支えきれずに崩壊に至るまでの座屈実験を行った。一定荷重は常温時の降伏軸力の0.5倍と0.6倍の2種類、電気炉の昇温速度は毎分5°Cとした。本実験により、一定荷重非定常温度状態での鋼圧縮材の座屈挙動実験データを得ることができた。また、(1)の座屈曲線と(2)の座屈温度を比較することにより、定常温度実験と非定常温度実験の関係を考察した。 3.鋼圧縮材の高温時座屈解析法の開発と妥当性の検証 有限要素法による複合非線形解析法を基本にして鋼圧縮材の高温時座屈解析法を開発した。本解析法により、(1)、(2)の実験のシミユレーシヨンを試み、両者の結果が概ね一致することを確かめた。
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