研究課題/領域番号 |
05650580
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
今井 正次 三重大学, 工学部, 教授 (60023321)
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研究分担者 |
中井 孝幸 三重大学, 工学部, 助手 (10252339)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 疎住地 / 図書館 / 利用圏域 / 距離の影響 / 基礎的な需要 / 2重構造 / 施設サービス水準 / 交通システム |
研究概要 |
疎住地(定住人口が少なく地域面積に対して人口や戸数の密度も低く分布にも偏りが大きい地域)では、密住地に比べ施設間の距離が遠い上に移動手段や経路が限定されているなど、施設の設置に不利な面を生じやすい。疎住地でも高度な施設サービスを確保できる配置・規模等に関する計画条件を明らかにすることを目的としている。 利用圏域構造の主要要因を施設サービス水準(蔵書冊数・開館時間・新鮮度・AV設備の充実等)、公民館・文化会館・役所等の他施設との複合(建物複合・群複合等)、地域性(人口分布・交通条件・類似施設の立地条件等)と捉え、三重県内の比較的活発な活動(司書が管理)をしている7館を図書館の蔵書冊数・複合の程度・人口規模などからサンプリングし、平日1館・休日7館の全来館者に対するアンケート調査を行い、利用圏域・利用目的・移動手段等を把握した。主な結果は以下の通りである。 (1)施設サービス水準が高い地域での利用圏域は、モータリゼーションの影響から市町村界を越えるなど広範囲に広がり、疎住地でも高度なサービス水準への施設要求がみられた(2)図書館の利用者構造は、利用圏からみると「図書館までの距離に影響を受けやすい需要」と「距離による影響を比較的受けにくい基礎的な需要」による利用の2重構造になっており、交通弱者の幼児・学童・高齢者は前者に基づく利用がほとんどである。 (3)両需要とも施設サービス水準(蔵書冊数)で誘致距離は異なるが、基礎的な需要の方がよりサービス水準の影響を受ける。 分館整備が期待できない疎住地では、施設間距離の短い密住地ではみられない「基礎的な需要」の圏域からみた配置・施設規模計画が必要であり、交通弱者への配慮も含めた交通システム・サービス水準・地域性・属性等による圏域のモデル化が今後の課題である。
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