研究課題/領域番号 |
05650612
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
榎本 正人 茨城大学, 工学部, 教授 (70241742)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 鉄合金 / セラミックス / 初析フェライト / 核生成 / 異相界面 |
研究概要 |
オーステナイト粒内に介在物を意図的に分散させ、変態核発生サイトとして利用し、溶接熱影響部や非調質高張力用鋼の組織や材質を改善する試みが行われている。そこで、核生成がどのような要因によって支配され、どのような介在物が最も有効に核生成サイトとして働くかを解明する目的で、介在物セラミックスと鋼を高温のオーステナイト域で拡散接合し、Ae_3以下の温度で等温保持して、界面におけるフェライトの核生成挙動を観察した。4種類のセラミックス(Ti0_2,Al_2O_<3'>,MnS及びVN)について実験を行ったが、TiO_2とMnSについては接合が不完全、もしくは界面の融解が見られた。Al_2O_3とVNについては界面と母相オーステナイト粒界におけるフェライト粒子数を比較し、VNと接合界面における核生成速度が促進されていることが確認できた。Al_2O_3D2においても核生成は促進されていると見られるが、その度合いは大きくない。SEM-EDXによる界面付近の組成分析を行ったが、界面反応や溶質原子の拡散はあまり起こっていなかった。フェライト生成の熱力学的駆動力や熱膨張係数の違いによる歪エネルギー、介在物とオーステナイト及びフェライトとの界面エネルギーを計算して、古典核生成理論により、核生成の支配因子を検討した結果、界面エネルギーが有力との結論を得た。しかし、界面エネルギーは簡単な転位モデルを用いており、理論値の信頼性は高くはなく、界面構造の直接観察等が必要であろう。その他、セラミックスの物性データの不備、核生成理論の臨界核モデルの改良、微量添加元素の影響など、今後に多くの検討課題が残されている。
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