研究課題/領域番号 |
05650613
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40114136)
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研究分担者 |
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
奥田 重雄 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50111365)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非晶質合金 / 通電効果 / 原子の集団運動 / 構造緩和 / 結晶化 / 非弾性特性 |
研究概要 |
中・高温域では、非晶質合金の構造緩和及び結晶化に及ぼす通電効果を電気抵抗測定法を用いてa-CuZrAl及びa-CuZrについて調べた。4x10^3A/cm^2程度の通電下で構造緩和過程は熱活性化エネルギーは僅かに大きくなるが前指数項の振動数因子は一桁程度大きくなること、結晶化では熱活性化エネルギーが低下することが共通して観測された。振動数因子の顕著な変化は構造緩和過程が原子の集団運動を介して進行すること、集団運動に関与する原子数が通電下で変化することを示唆するものである。また、結晶化の活性化エネルギーの低下をエレクトロ・マイグレーションの観点から評価するとこの時の有効電荷は〜10^5eになる。そこで、低温域での非弾性特性に及ぼす通電効果から前記の有効電荷の評価を独立に行うと共に、水素の長距離拡散から局所的原子構造の空間的つながりの評価を試みた。これまで、10^<-2>以下の低歪域では非晶質合金の弾性率が歪振幅の増大と共に高くなること、すなわち非弾性歪成分が飽和することを見いだしている。ここでは歪振幅を一定に保ち、通電による弾性率変化を調べ、その結果を弾性率に及ぼす歪振幅の効果と比較した。通電下では弾性率が明瞭に高くなるのが観測され、歪振幅の効果を基準にして評価した有効電荷は10^4〜10^5eであった。すなわち、これらの独立の実験は共に原子の集団運動の存在を示唆している。一原子の有効電荷は高々10^2eであるので、これらの原子の集団運動に関与する原子数は10^2〜10^3であると推定される。また水素の長距離拡散の結果は、特殊なパーコレーション経路の存在を否定している。従って、前記の原子の集団運動は非晶質構造の一般的な性質を反映したものであると言える。以上の結果を次頁の論文として公表した。
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