研究課題/領域番号 |
05650645
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
伊熊 泰郎 神奈川工科大学, 工学部, 助教授 (10159593)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 酸素拡散係数 / 酸化インジウム / スズ添加酸化インジウム / ITO |
研究概要 |
市販の無添加酸化インジウム(In_2O_3)を1400℃で焼成したものと、気相合成法で作製した単結晶In_2O_3を用意した。また、スズ添加酸化インジウム(ITO)も1400℃で焼成した。これらの試料をSEMとTEMで観察し、BET法により比表面積を求めて粒径を算出した。異なる方法で求めた粒径の値はほぼ一致し、これらの試料は拡散実験に用いるのに充分なものであることを確認した。 試料を白金ルツボに入れ、まず^<16>O_2雰囲気中で焼成してその温度と雰囲気において平衡状態にした。次に^<18>O_2を約60%含む酸素中で拡散焼成し、高温(900〜1200℃)の実験では気相中の^<18>Oの減少量を質量分析計で継続的に測定し、低温(500〜800℃)の実験では試料中の^<18>Oの量を微量天秤で連続的に測定した。これらのデータを対応する拡散式に当てはめ、In_2O_3中とITO中の酸素拡散係数(D_<cxy>)を決定した。 In_2O_3中のD_<oxy>のアレニウスプロットは800〜1200℃の範囲で直線となったが、電気伝導度測定からの文献値より数桁小さい値であった。本実験結果は活性化エネルギーが480kJ/molと大きいこと、単結晶のデータと多結晶のデータが一致すること、2種類の方法で決定したデータも直線にのることから、Intrinsicな領域にあるものと考えられる。一方、ITO中のD_<oxy>は高温でIn_2O_3のものとほぼ同じであったが、低温ではIn_2O_3のものより大きくなった。文献によると、ITOの電気伝導度はIn_2O_3のものより大きい。したがって、In_2O_3にSnを添加すると電子欠陥を生成し、空孔など拡散に関与する欠陥は生成しないと考えられていた。しかし、本研究の結果をふまえると格子間酸素のような拡散に関与する欠陥の生成を考えなければならない。
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