研究課題/領域番号 |
05650653
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤松 仁 信州大学, 繊維学部, 助教授 (80021179)
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研究分担者 |
宇佐美 久尚 信州大学, 繊維学部, 助手 (60242674)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポリエチレンゲル / 金属表面処理剤 / 金属 / ポリエチレン / 接着 / 表面改質 / 銅 / 鉄 |
研究概要 |
1)チタネート及びシランカップリング剤による金属表面処理 種々のアルコキシ鎖長を有するテトラアルコキシチタネートのテトラクロロエチレン溶液及びアルキル鎖長の異なるアルキルエトキシシランのメタノール溶液中に各種の金属板(鉄、アルミニウム、銅)を一定時間浸漬し、自然乾燥後加熱反応させた。特に、溶液濃度、浸漬時間、加熱温度及び時間の異なる条件で処理した。 2)金属表面のキャラクタリゼーション 1)の条件下で処理した金属表面の改質状態を、FT-IR、TG、及び濡れ性試験により調べた。表面反射IR及びTG測定により、アルコキシ基またはアルキル基が金属表面に導入され、化学結合していることが確認された。濡れ性試験では、顕著なカップリング剤濃度依存性が観察され、ある濃度で水の接触角が極大となることが明らかとなった。さらに、その極大を与える濃度はカップリング剤によって異なることも判明した。 3)ポリエチレンゲルによる接着 1)の各条件で表面処理した各種金属板とポリエチレン板の間にポリエチレンゲルを塗布し、適度に加熱して接着した。接着強度は表面処理条件に強く依存し、接触角測定結果と良い相関を示した。最良な条件下では、1cm^2当たり40kg以上もの剪断引っ張り強度を示すことが明白となった。また、接着強度はカップリング剤処理条件により強く影響され、浸漬時間、加熱反応温度及び時間にそれぞれ最適値が存在することが判明した。さらに、金属の種類によって最適処理濃度が異なる、アルキル鎖の長いカップリング剤ほど接着強度が高い等、カップリング剤と金属との反応性及びカップリング剤により導入されたアルキル鎖長とポリエチレンゲルとの相互作用に関する知見が得られた。本研究の結果、金属表面処理剤とポリエチレンゲルとを併用することにより金属とポリエチレンとを強力に接着できることが明らかとなった。これらの成果は、金属とポリエチレンの複合材料化のための一方法を提供するものであり、実用化が期待される。
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