研究課題/領域番号 |
05650660
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
清宮 義博 明星大学, 理工学部, 講師 (20177017)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 傾斜材料 / 複合材料 / 遠心鋳造 / 機能材料 |
研究概要 |
熱応力緩和という観点から提唱された傾斜機能材料の特徴は、二つの異なった材料の接合による急激な組織変化がないということである。すなわち、一種類の材料で二つの優れた性質を合せ持つことから、そこに発生する新たな効果が様々な分野で期待されている。本研究は、金属基傾斜機能材料の製造方法の一つとして、金属溶湯とセラミクス粉末に遠心力を付加することによって生ずる比重差を利用し、組織に傾斜を持たせる方法で作製した。 傾斜組成と機械的性質との関係については、ミーゼスの考え方と有限要素法とを組み合わせることによって作成したコンピュータプロブラムにより、2次元弾塑性解析を行った。その結果、硬さによって明らかとなった機械的性質と良い一致が認められた。これにより、材料設計のための重要な情報を得る手段を確立したことになる。ここで得られたデーターをまとめ、1993年夏にアメリカで行われたMRS(Materials Resaearsh Society)主催の国際シンポジュウムで発表した。 傾斜相であるシリコンカーバイトの相安定性を論ずることは、高温度域での使用を目的とする高温用傾斜機能材料の寿命にとって最も重要な問題である。純アルミニュウムを母相とした場合には、鋳造時にシリコンカーバイトのシリコンが5〜10at%程度母相中に拡散することが、EPMAによる分析結果から明らかになった。その結果この材料の最も適した母合金は、シルミンと呼ばれるアルムニュムとシリコンの2成分系合金であると結論した。この研究結果については、日本の学会に投稿すべく準備に進めているところである。 また耐熱性に対処するための傾斜組織の相安定性については、別な方向から研究を試みており、それについてもすこぶる有益な情報が得られつつある。
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