研究課題/領域番号 |
05650673
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 博一 京都大学, 工学部, 助教授 (60127123)
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研究分担者 |
橋本 竹治 京都大学, 工学部, 教授 (20026230)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ブロック共重合体 / ポリマーブレンド / ミクロ相分離 / 共連続構造 / 極小曲面 / 電子顕微鏡 / 小角X線散乱 / 小角中性子散乱 / 高分子ブレンド |
研究概要 |
互いに非相溶な2種類の高分子から成るブロック共重合体が形成するナノメートル・オーダーのミクロ相分離構造には、共連続構造と呼ばれる相分離した二相が共に三次元連続相を成す興味深い構造が存在する。本研究はこの共連続構造の作製法を確立するとともに、その原理を明らかにすることを目的とした。 共連続構造の制御には、界面の曲率の制御とミクロドメインへのセグメントの均一充填が必要であり、それらはブロック共重合体にホモポリマーや分子量あるいは組成の異なる同種のブロック共重合体をブレンドすることにより達成可能である。そのためには先ずそれらのブレンド系において、混合状態やモルホロジーが、両者の分子量比や組成と共にどのように変化するかを明らかにしなければならない。本研究ではこの問題について、電子顕微鏡および小角X線散乱を用いた系統的基礎研究を行ない、3編の論文にまとめ報告した。また、共連続ミクロ相分離構造作製方法として、ブロック共重合体に対し分子量の異なる2種類のホモポリマーを混合する方法を考案したが、これは分子量がブロック鎖とほぼ等しいホモポリマーはミクロドメイン中心部に局在化して均一充填に寄与し、分子量の小さいホモポリマーはブロック鎖を膨潤することにより界面の曲率の変化に寄与すると考えられるためである。この点に関し、本研究では小角中性子散乱測定によりミクロドメイン中におけるブロック鎖とホモポリマー鎖の相互侵入の度合いを評価した。その結果、ミクロドメイン中心部に局在化していると考えられるブロック鎖とほぼ等しい分子量を持つホモポリマーの場合でも、分子の回転半径ていどの領域で鎖が相互侵入していることが判明し、論文として報告した。また、こうした基礎的知見をもとに、2種類のホモポリマーを混合する方法によって、新規な共連続ミクロドメイン構造を創製することに成功した。
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