研究課題/領域番号 |
05650676
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 安徳 九州大学, 工学部, 教授 (80010940)
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研究分担者 |
常光 幸美 九州大学, 工学部, 助手 (40211974)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 電解析出 / 金属多層膜 / コバルト / 白金 / 金属人工格子 / 反射電子顕微鏡法 |
研究概要 |
水溶液からの電解析出により原子層のオーダーで制御された積層膜を作ることを目的として、主にCo/Pt系について、電析初期の膜観察、多層膜の作製、膜の磁気測定を行った。 先ず、Pt(111)面上にCoを析出させる。このCo量は電気化学的なアノード溶解によって定量した。析出Co量が数原子層に相当するものについて反射電子顕微鏡観察した。Coはヘテロエピタキシャルの良好な膜として析出する。電析の過電圧が高い場合には反射電子顕微鏡像が多少乱雑にはなるが、依然二次元的成長のエピタキシャル膜である。約5原子層Coを析出させた後その上にPtを数原子層析出させて観察すると、Coを析出させた時の過電圧の違いによって次に析出するPtの表面形態に変化が見られる。Coを低い過電圧で析出させた場合には比較的平坦なPt膜が出来るが、高い過電圧の場合には次のPt膜は凹凸の多い表面となる。 Co約5原子層Pt約10原子層となる条件で電析を行い交互に50回繰り返した多層膜を作製した。X線回折によると低角に超格子構造による回折ピークが観察される。ピーク位置から周期を計算すると設計した周期とほぼ等しいものとなった。しかしピーク巾が広いことと高次のピークが明瞭でないことから、多層膜はまだ完全性の高いものにはなっていない。なおCoの電析過電圧が低い多層膜の方が超格子回折ピークは明瞭に出た。 作製した多層膜の磁気測定結果によると、膜は面内に容易磁化方向があり、垂直磁化膜にはなっていない。 Coを1〜2原子層で制御して平坦なPt層をもつ多層膜を作製することが今後の課題であり、電解浴組成、浴温、電析条件、電極配置等を検討する必要がある。
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