研究概要 |
1.ターボ分子ポンプ,スパッタイオンポンプを排気系とする超高真空固相接合実験装置を試作し,10^<-9>Torr台の超高真空を実現した.さらにベーキングを続けて10^<-10>Torr台の実現を目指す.接合実験における試料温度の影響の検討に際して,真空チャンバーの外から赤外ランプによって試料の加熱を行ったが真空度の低下がみられたので,原因の究明と改善を図る. 2.ブリッジマン法による銅単結晶の作製ならびに結晶方位の決定の手順を確立した.作製した銅単結晶試料を超精密ダイヤモンド切削装置で切削し,結晶方位と切削方向が切削面の表面精度や加工変質層に及ぼす影響を明らかにした.ダイヤモンドバイトのノーズ半径2mm,バイト送り量10μm/rev,切込み300μmで切削したとき,表面あらさは結晶方位,切削方向によらず約15nmR_<max>であった. 3.上記の条件で切削した(012)面銅単結晶同士の接合実験を行った.試料温度約75℃,接合圧力1.05×10^<-2>Kgf/mm^2,接合面積3.8mm^2の条件で行った最初の接合実験ではまだ所期の結果は得られていない.装置開発,試料の作製方法の確立など準備段階はほぼ終了したので,今後は接合圧力,接合温度,あるいは接合面の形状などを変化させながら,より広い実験条件の下で接合実験を重ね,固相接合における温度や圧力の影響,接合面性状の影響,結晶方位の影響を明らかにしていく予定である.
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