研究概要 |
新液相拡散接合法(Al‐Sn法)によるセラミックスと金属の接合を目的とした。最初に、この方法の基となる基礎データ,すなわちAl‐Sn合金と各種セラミックスおよび各種金属の接合性,の蓄積を試みた。この結果、セラミックスでは、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミ、炭化ケイ素と酸化物系、窒化物系、炭化物系いずれのセラミックスで良好な接合効果が得られた。また、金属では、耐熱金属の鉄、チタン、コバルト、ニッケル、モリブデンをはじめ、マグネ、銅、銀、アルミで良好な接合結果が得られた。今後もこのような基礎データの蓄積を続ける予定である。 これら一連の結果から、Al‐Sn法が工業的にも非常に有望であることがわかった。特に、これまでセラミックスと金属の接合の際、同様に異種金属同士の接合でもろい金属間化合物が形成される場合、問題とされてきた熱応力の緩和が、Al‐Sn法によってほぼ達成された。また、従来拡散接合は、真空中あるいは不活性雰囲気中でしか良好な結果が得られなかったが、Al‐Sn法は大気中でも良好な接合結果が得られた。 基礎データから、Al‐Sn合金をインサート金属として使用すれば、前述の同種、異種セラミックス同士、各種セラミックスと各種金属、同種、異種金属同士の拡散接合が可能である。ただし、これらの複合材料の使用は、Al‐Sn合金の融点以下に限定される。しかし、これでも工業的に多方面の使用か期待できる。 現在、Al‐Snインサート材を接合界面から排斥して、耐熱性のある複合材料の開発に取組んでおり、アルミナとニッケル、アルミナとモリブデンの接合については、良好な結果が得られた。
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