研究課題/領域番号 |
05650714
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
津留 豊 九州工業大学, 工学部, 講師 (50089950)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 耐摩耗性 / 複合めっき / セラミックス微粒子 / ニッケル-リン合金めっき / ニッケル-タングステン合金めっき / 二層めっき膜 / 密着性 / レーザー加熱 |
研究概要 |
研究は以下の2つの論文に纏めることができた。〔1〕亜鉛電析に際しアルミナ微粒子が亜鉛マトリックス内に取り込まれるメカニズムの解明、そして〔2〕ニッケル-リン合金電析メカニズムの解明、である。これらの論文は次の様に要約できる。 〔1〕硫酸亜鉛浴からの亜鉛めっきに於けるアルミナの複合共析に際し、溶液のpHが複合電析に及ぼす影響のついて調べた論文では、(1)亜鉛イオンはアルミナ上に平衡吸着し、その吸着量は溶液pHにともない増加し飽和吸着に至る。(2)水酸化亜鉛の析出による溶液のpH緩衝作用はアルミナの存在により促進される。このとき析出した水酸化亜鉛の一部はアルミナ上にも吸着する。(3)めっき膜内へのアルミナ共析量は、溶液pHとともに増加し、水酸化亜鉛の析出が始まるpH付近で極大値に至る。(4)亜鉛電極及びアルミナ上に吸着した水酸化亜鉛の一部は、金属亜鉛にまで電解還元されアルミナの複合共析を促進する。(5)吸着した水酸化亜鉛の一部は共析酸化物として複合めっき膜内に取り込まれる。 〔2〕ニッケル-リン合金膜の形成に際し、電流密度、亜リン酸濃度、溶液のpH及び溶液の温度が、めっき膜ひずみと膜内リン含有量及びその結晶構造に及ぼす影響について調べた論文では、(1)膜内リン含有量が12at%〜25at%の範囲内でめっき膜の残留応力は小さい。この領域でのめっき膜構造は、リン含有量の低下にともないアモルファス相からアモルファスと微細結晶が混在した相へと変化する。これら微細結晶はめっき面に垂直な<111>から成る{111}面に配向した相で、リン含有量の減少とともに次第に成長する。(2)膜内リン含有量が11at%以下では、めっき膜の残留応力がリン含有量の減少にともない急激に大きくなり、膜の降伏強度を越え亀裂発生に至る。これと同時に{111}面に配向した微細結晶の減少と新たに{220},{200}面に配向した結晶の混在が生じ、これらの存在割合はリン含有量の減少とともに次第に増加する。
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