研究課題/領域番号 |
05650726
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
月橋 文孝 東京大学, 工学部, 助教授 (60155348)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | レアメタル / 高純度化 / 熱力学 / カルシウム / ハライド化合物 / 活量 / 精錬 / カルシウムハライド / ジルコニウム |
研究概要 |
非常に高い製錬能を持つカルシウム-ハライド化合物融体の熱力学的性質の測定を行った。さらに測定データを基に、溶融レアメタルからのトランプエレメント不純物の除去挙動について考察した。 化学平衡法により、酸素との性質のわかっているジルコニウムとカルシウム系フラックスを平衡させることにより、フラックス中のカルシウムの活量を調べた。 Zr薄片(15mm×10mm×1mm)約2gとカルシウム-ハライド系フラックス約6gをいれたCaOるつぼを鉄るつぼ中に密閉し、所定の温度(1373K〜1573K)で48時間平衡させた。実験終了後、試料を急冷してZrの表面を研磨、洗浄し、Zr中の酸素濃度を測定し、フラックス中カルシウムの活量をフラックス組成の関数として求めた。 CaO_<satd.>:-Ca-CaF_2フラックスでは、X_<Ca>/(X_<Ca>+X_<CaF2>)が0.80以下でCaF_2が飽和し、Caの活量は0.77で一定となった。陰イオンを塩素としたCsO_<satd.>-Ca-CaCl_2系フラックス中Caの活量は、CaO_<satd.>-Ca-CaF_2系フラックスに比べ、わずかに小さい。CaO_<satd.>-Ca-BaF_2系フラックスはX_<Ca>/(X_<Ca>+X_<BaF2>)が0.66以下でBaF_2が飽和することがわかった。CaO_<satd.>-Ca-MgF_2系フラックスはX_<Ca>/(X_<Ca>+X_<MgF2>)が0.50のとき、Caの活量は0.14まで下がった。CaO_<satd.>-Ca-SrF_2フラックスでは、X_<Ca>/(X_<Ca>+X_<SrF2>)が0.15以下でSrF_2が飽和し、Caの活量は0.04で一定となった。CaO_<satd.>-Ca-NaF系フラックスはX_<Ca>/(X_<Ca>+X_<NaF>)が0.6でCaの活量は0.48であることがわかった。 これらの熱力学データから、カルシウム系フラックスを用いた場合の、溶鉄中のトランプエレメント(アンチモン、砒素、ビスマス、鉛、すず)の濃度を見積もり、いずれの元素も、10^<-4>mass%以下に除去されることがわかった。このことから、本系フラックスによるレアメタルの高純度化も可能と考えられる。
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