研究課題/領域番号 |
05650739
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今野 幹男 東北大学, 工学部, 助教授 (40125547)
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研究分担者 |
工藤 伸一 東北大学, 工学部, 助手 (60241535)
猪股 宏 東北大学, 工学部, 助教授 (10168479)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ゾル・ゲル転移 / 高分子電解質 / 電解質多糖 / 多価イオン / 粘性率 / 弾性率 / 臨界現象 / 剛直性高分子 |
研究概要 |
高分子のゾル・ゲル転移機構についてはその重要性から古くから研究が行われてきたが、溶液中での高分子の存在形態は複雑で、長い間十分な解析が行われずにいた。ところが最近になってこのゾル・ゲル転移現象を一種の臨界現象と見なす考え方が提案され、再び勢力的な研究が行われ始めている。ゾル・ゲル転移を臨界現象と見なせるとすれば、物性の変化にはスケーリング則が適用し得る筈であり、ゲル化の過程が統一的な規則で表せる可能性がある。従来このスケーリング則の適用性は非電解質の高分子を中心に適用性が検討されてきたが、電解質高分子についてその適用性を検討するのが本研究の目的である。本研究としては、電解質高分子として多価イオンの添加により高いゲル化能を示す電解質多糖を用いた。またこの高分子に比して屈曲性に富んだ分子構造の高分子電解質についても実験を行う予定である。高分子多糖を用いて実験では、ゾル・ゲル転移に伴う粘性率と弾性率の測定を行い、電解質添加による反応率と高分子濃度の関係を調べた。その結果反応率一定で高分子濃度を変えた場合ならびに高分子濃度一定で反応率を変えた場合において、粘性率指数は0.8〜1.2であり、一方弾性率指数は1.6〜2.0の値を取り、それぞれの場合に同一の値を取ることがわかった。またこれらの値は中性高分子についての既往の値と類似の値を取ることがわかった。ところが、臨界反応率の濃度依存性を調べたところ、その指数の大きさは中性高分子の値に比して約半分程度と小さい値を示すことがわかった。この電解質多糖の特徴については、高分子の剛直性を考慮したモデルを提案し、説明することに成功した。また本モデルにより、電解質多糖の高いゲル化能が分子内架橋を形成しない、効率的な分子間架橋を形成することに基づくことを示唆することができた。
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