研究課題/領域番号 |
05650777
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
三浦 弘 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60092574)
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研究分担者 |
松田 常雄 埼玉大学, 工学部, 教授 (40008826)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 昇華性金属錯体 / バイメタリック触媒 / 選択的水素化反応 / クロトンアルデヒド / クロチルアルコール / ジルコニウムジピバロイルメタナト |
研究概要 |
昇華性金属錯体を前駆体に用いた独自の方法でCo系バイメタリック触媒を調整し、クロトンアルデヒドの部分水素化によるクロチルアルコール合成反応に高い活性・選択性を示す触媒を開発した。Co/AI_2O_3触媒へ、昇華性金属錯体であるZr(dpm)_4をすることにより、触媒の活性およびクロチルアルコール選択率は大幅に向上した。同じZrを中心金属にもつ昇華性錯体でも、昇華性の違いにより触媒活性に差が生じる。より昇華性の高いZr(dpm)_4を使用することにより高い活性を示す触媒を調整することができた。触媒の中での、添加したZrの状態を調べるために、Co板上に折出させたZr薄膜の分析を、XPSにより試みた。添加した錯体は触媒の前処理中に分解されて、主に酸化物ZrO_2を生じるが、一部はさらに還元されてZr_0を生成していた。このような低原子価状のZrが高い電子供与性を有し、Coに対する高い添加効果を発揮する原因である。さらに、このような低原子価状のZrは他の調製方法では得られなかった。反応条件を変えて最適反応条件を探索し、80%を越える極めて高い収率がえられた。文献と比較して、これまで報告された中でもっとも高活性かつ高選択性触媒を見出した。この触媒を用いて中間生成物からの反応を行うことにより、Zrの添加でC=C水素化が大幅に抑制され、C=O水素化は促進されることがわかった。さらに、C=CよりC=Oの方が優先的に水素化されることもわかった。 このように、本研究で用いた触媒調製法は、特殊な原子価状態を有する助触媒の導入に有効な方法であり、さらに新規な触媒系の探索に有効であることがわかった。
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