研究課題/領域番号 |
05650786
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
五十嵐 哲 工学院大学, 工学部, 教授 (90005538)
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研究分担者 |
福原 長寿 工学院大学, 工学部, 助手 (30199260)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 水素製造 / 低温水蒸気改質 / 担体 / 高表面積ジルコニア / アルコキシド / ゾル-ゲル法 / 貴金属触媒 / ジルコニア |
研究概要 |
当該研究者は、ZrO_2にRhやRuを担持した触媒が低温での水蒸気改質に高性能を示すことを見い出しており、貴金属が炭化水素の活性化に、担体であるZrO_2が水蒸気の活性化に大きな役割を果たしていることを推論しているが、市販の水酸化ジルコニウムの焼成によって得られるZrO_2のBET比表面積はたかだか80m^2/gであり、これ以上の水蒸気の活性化や貴金属の高分散化は期待できない。一方、最近、触媒材料としてZrO_2が注目されており、ZrO_2の高表面積化についての報告が増えつつあるが、500℃での焼成後において100m^2/gを越えるZrO_2は得られていない。 そこで、アルコキシドを出発原料とするゾル-ゲル法によってZrO_2とZrO_2-Y_2O_3系担体の高表面積化を目的として、表面積制御についての研究を行なった結果、以下のことが明らかになった。 (1)加水分解のときの水の量を増やすとBET比表面積が増加し、表面積の増加は結晶化温度の増加、結晶子径の減少、および粒子径や細孔径の減少と対応する。 (2)ZrO_2へのY_2O_3の添加量を増やすにつれて表面積は増加する。 (3)空気雰囲気での焼成と比較して、窒素雰囲気での焼成は高表面積化をもたらす。 (4)ZrO_2とZrO_2-Y_2O_3の結晶相が異なるにもかかわらず、表面積とZrO_2の格子歪みの間に相関が認められる。 (5)表面積の増加には非晶質に近いZr-O結合またはZr-O結合が緩んだ結晶相の存在が寄与していることが考えられる。 以上、ゾル-ゲル法を用いてZrO_2とZrO_2-Y_2O_3を調製した結果、原料モル比とイットリウムの添加量を選択することによって表面積の制御が可能であり、条件によって従来にない高表面積をもつZrO_2-Y_2O_3が得られることが明らかとなった。 今後の研究によって、この方法で得られた高表面積をもつZrO_2系担体に担持したRhやRu触媒が水素製造のための水蒸気改質反応にすぐれた性能を発揮することが期待される。
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