研究課題/領域番号 |
05650793
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
太田口 和久 東京工業大学, 工学部・化学工学科, 助教授 (20134819)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Biochemical engineering / CO_2 fixation / Anacystis nidulans / Saccharomyces sake / ethanol production / biomass / ethanol tolerance / biotrancformation |
研究概要 |
本研究では、経済性が比較的高いCO_2固定法を確定することを意識し、光独立栄養増殖を行なう藍藻Anacystis nidulansおよび酵母Saccharomyces sakeを実験材料として用い、3段階の反応経路(1:A.nidulansの光合成によるCO_2からA.nidulansバイオマスへの生物変換、2:抽出法によるA.nidulansバイオマスからグルコースへの化学変換、3:S.sakeの発酵によるグルコースからエタノールへの生物変換)を統合することにより、CO_2からのエタノール生成法を考案しその可能性を実験的に検討した。 まず光合成用外部循環エアリフト型バイオリアクター(矩形ライザー部:幅0.5m、奥行0.1m、高さ1.2m、円筒形ダウンカマー部:直径0.1m、高さ0.6m)を作成しCO_2物質移動容量係数の特性を検討した。光強度6klux、温度40℃、3%CO2通気(ガス空塔速度=11m/h)下でA.nidulansの培養を行なったところ120hで1dm^3カルチャー当たり約10gのCO_2を吸収し、そのうちの0.4gは細胞により0.7gの乾燥菌体へと変換されることがわかった。また、1gの乾燥菌体バイオマスは0.50gの貯蔵糖を含有することがわかった。 次に、藍藻バイオマスからの貯蔵糖抽出剤の選定試験を行なった。その結果、3N HClが効率良くグルコースを抽出し得ることがわかった。抽出液に対し陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂による脱塩操作を2回繰り返すことにより抽出液の酵母増殖阻害効果を無くし抽出グルコースの獲得法を確立した。 さらに、藍藻バイオマス抽出グルコースを用い酵母からのエタノール生成法を検討した。抽出グルコースを用いた場合、比増殖速度、エタノール生産物収率ともに市販グルコースを用いた場合よりも増加する結果が得られた。酵母の増殖を停止させるエタノール濃度(=エタノール耐性)は市販グルコースを用いた場合には80g/dm^3であるのに対し抽出グルコースを用いた場合には98g/dm^3へと向上する結果を得た。
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