研究課題/領域番号 |
05650830
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 則雄 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (70128099)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 窒素酸化物 / ガスセンサ / 固体電解質 / 環境汚染 |
研究概要 |
燃焼炉や自動車等から排出されるNOxは大気汚染の原因物質の一つであり、この濃度を簡便、迅速で精度よく検知できる高性能な全固体型NOxセンサの開発が急務となっている。本研究では、特に固体電解質センサの検知極用補助相材料に工夫を加えることにより、応答特性の大幅な改善を目指した。その結果、Naイオン導伝体であるNASICONとBa(NO_3)_2-NaNO_3からなる2成分系硝酸塩を組合わせることによりNaNO_3単独塩を用いた場合よりも応答速度が大幅に改善されることを見出した。また、作動上限温度を250℃から450℃に上昇させることができた。これはBa(NO_3)_2の融点が高いことに起因している。さらに、2成分系では組成を適当に選択することにより、水蒸気の妨害を全くなくすこともできた。一方、従来の硝酸塩系にかわって亜硝酸塩(NaNO_2)を補助相とすることにより、空気中の低濃度NO(約1ppm)の検知が可能なことを初めて見出した。この素子ではNaNO_3の場合と比較して、より低濃度のNO_2の迅速な検知も可能なことがわかった。さらにNaNO_2に炭酸塩を加えたNaNO_2-M_2CO_3(M=Na,Li)2成分系補助相を用いることにより、CO_2、O_2、水蒸気の影響を全く受けずに、5ppbまでの極低濃度NO_2の検知が可能なことを見出した。都市の大気環境中のNO_2濃度は数十ppbといわれることより、本素子を用いれば大気中NO_2濃度を直接検知できる可能性がある。なお、固体電解質としては、主にNa^+導電体を用いたが、Ba^<2+>、F^-、O^<2->などの他のイオン導電体の使用も可能であり、本タイプの素子ではセンサ材料の組合わせの自由度も比較的大きいことがわかった。本センサの検知機構については、従来提案されている検知反応では全く説明できない応答特性が得られることより、過酸化物を介する新しい検知機構を提案した。
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