研究概要 |
1.フッ素系グラファイト層間化合物の設計と作製 金属フッ化物の液体HF溶液中におけるインターカレーション反応を制御することによりC_x^+MF_y^-(MFy=SnF_6^<2->,PbF_6^<2->,PbF_4^-)を合成し、インターカレーション反応のメカニズムを明らかにした。 2.フッ素-グラファイト層間化合物 CxFのイオン伝導性と電子伝導性 グラファイトへ金属フッ化物イオンがインターカレーションすることによりab-面内電子伝導性は8倍程度に増加するがイオン伝導性はない。HF中のF_2によるグラファイトの酸化や単体フッ素との直接的な反応によって生成するCxFはフッ化物イオン伝導性固体電解質であることが交流インピーダンス測定によって明らかにされた。 3.イオン性CxF,半イオン性CxF生成のインターカレーション反応を設計することによって得られた一連の物質群について、反応条件と組成、C-F結合の性質との相互関係を明らかにした。 4.イオン性CxF,半イオン性CxFを正極としたリチウム電池を構築し、CxFの電気化学的性質と放電反応機構を詳細に調べ、インターカレーション反応〜C-F結合の性質〜エネルギーバンドの変化〜電池起電力と放電特性の関係を明らかにした。 イオン性CxFの放電反応は電気化学的均一反応であり、半イオン性CxFのそれは電気化学的不均一反応である。従って、OCVが放電率に依存せず、放電電位が平坦で利用率も高い半イオン性CxFの方がリチウム電池正極として優れている。
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