研究課題/領域番号 |
05650866
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
滝川 雄治 岩手大学, 工学部, 教授 (00003848)
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研究分担者 |
嶋田 和明 岩手大学, 工学部, 講師 (10142887)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ニトリルセレニド / セレナジリン / セレナゾール / ヘテロクムレン |
研究概要 |
カルコゲン元素、中でもセレンやテルル原子を含む多重結合の化学的性質に大きな興味が持たれているにも係わらず、それらの不安定さ故、研究が著しく立ち遅れていた。特に、多重結合が累積したヘテロクムレン類に関する研究は殆ど無い。その中で、1、3-双極子としての機能を有するニトリルオキシドやニトリルスルフィドは有機合成的利用も含め幅広く研究されているが、ニトリルセレニドに関する研究は、低温マトリックス中、含セレン環状化合物の光分解による発生とその分光学的確認が為されているのみである。本研究は、ニトリルセレニドの簡便な発生とその有機合成的な利用を目指すと共に、併せて化学的性質の解明を行うことを目的としている。 本研究に於けるニトリルセレニドの発生の試みは、三級アミン存在下、ベンジルアミンに四塩化セレンを作用させるという方法を採用した。即ち、ベンジルアミンと四塩化セレンを-78℃で20分間処理後、引き続きピリジンを加え、-78℃〜室温で24時間反応させたところ、主生成物はベンズアルデヒドであった。しかしながら、この系に酢酸銀とジェノフィルとしてジメチルアセチレンジカルボキシラート(DMAD)を共存させたところ、相当する1、3-セレナゾールが低収率ながら得られた。このものの構造はMS,IR、^1Hおよび^<13>C NMR、元素分析、並びにX線結晶構造解析により決定した。いくつかのベンジルアミン誘導体に付いて検討した結果、同様1、3-セレナゾール誘導体が得られた。この反応はまずベンジルアミンと四塩化セレンより1が生成し、引き続き2を経由し、ニトリルセレニド3になるものと推測される。3は速やかにセレナジリン4に変換し、4がDMADと反応し1、3-セレナゾール5を与えるものと思われる。現在、セレノカルバモイルアジドの熱または光分解によるニトリルセレニドの発生を検討中である。
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