研究概要 |
2,5-ジフェニルシラシクロペント-3-エンのジアルコキシ誘導体をTHF溶媒中マグネシウム存在下(E,E)-ジフェニル-1、3-ブタジエンとジアルコキシジクロロシランとのワンポット反応で合成した。得られたシラシクロペンテン類は光学活性なトランス体を多く含んでいた。一方アルキルトリクロロシラン類との反応ではシラシクロペンテンのシス体だけが生成した。これらシラシクロペンテン類の水素還元で相当するシラシクロペンタン類が得られた。ついで2,5-ジフェニルシラシクロペント-3-エンのトランス体を単離する目的で、シラシクロペンテンのジアルコキシ誘導体をLDAを用いリチオ化後臭化アルキルによりシス体だけを優先的にアルキル置換反応する条件を検討した。その結果、2-位アルキル置換シラシクロペンテンとアルキル置換されないシラシクロペンテンのトランス体が得られ、両者はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離され、アルキル基としてイソブチル基やs-ブチル基の時トランス体が最も収率良く得られることを見いだした。 つぎに単離したセラミ体をジアステレオマ-に変えて光学分割するため、1,1-ジエトキシ-2,5-ジフェニルシラシクロペント-3-エンとlーメントールやl-ボルネオールなどの光学活性アルコールとのアルコキシ交換反応を検討し、ラセミ体より相当するジアステレオマ-が得られ、ラセミ体の光学分割への見通しが得られた。 また、2,5-ジブロモヘキサンのグリニヤール試薬とメチルジクロロシランの反応を検討し、相当する1,2,5-トリメチルシラシクロペンタンを合成した。さらにアルドール型反応検討のため、1-メチル-1-クロロ-2,5-ジフェニルシラシクロペンテンとシクロヘキサノンとの反応により相当するシリルエノールエーテルも合成した。
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