研究課題/領域番号 |
05650894
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高分子 / 強誘電体 / 水素結合 / Pyroelectricity |
研究概要 |
水素結合を持つ高分子たとえばナイロン等は、分子鎖間に異方的結合力を持つため結晶の弾性率や電気的性質にも大きな異方性を生じる。この分子鎖間水素結合の構造、位置等は、ほとんど高分子の一次構造により決定されると言って良い。従って、炭素原子一つ変化させることで、水素結合の位置が変わり極性、非極性の制御が可能となる。強誘電体とは自発分極を持ち(極性結晶)それが外部電場により反転できる物質をいうが、水素結合性高分子の多くが極性構造を持つことが可能であり、もし電場により結合の再配列が起こるような環境さえ作ってやれば強誘電構造を実現できる。 我々は従来の奇数ナイロン以外の幾つかの水素結合を有する高分子において、この強誘電状態を実現した。この際、1)乱れた水素結合、2)電界による水素結合の形成、3)不純物すなわち異種結合や共重合成分による安定化という3つのキーワードが重要であることを見いだした。AB型ナイロンでは、ABの数の比の大きい(ナイロン39のように)ものや、三元ランダム共重合体では熱処理により結晶の乱れがかえって大きくなり、強誘電的となった。またポリウレタンは、回転自由度の大きいエーテル結合があり、ナイロンに比べ運動性が良く、強誘電的分極反転を示す。これはポリウレタン結晶中で電界により不安定な中間状態を経由して起こる。ポリユリア・ポリチオユリアでは、ともに非常に強い水素結合性を示す高分子であるが、非晶状態で明確なヒステリシス曲線を示し、さらに焦電率もガラス転移温度以上まで安定であった。このことは非晶状態(ガラスおよびゴム状態であっても)でも双極子は強誘電結晶のように極性をもち分極反転することが分かった。以上のように水素結合性高分子の多くは強誘電挙動を示すことを初めて明らかにした。
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