研究課題/領域番号 |
05650903
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
野中 敬正 熊本大学, 工学部, 教授 (50040423)
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研究分担者 |
上村 康子 熊本大学, 工学部, 助手 (70203487)
栗原 清二 熊本大学, 工学部, 講師 (50225265)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アニオン交換膜 / 上り坂輸送 / ウラニルイオン / 鉄(III)イオン / 選択輸送 / シュウ酸ナトリウム |
研究概要 |
金属イオンの選択分離に高分子膜が利用でき、かつ上り坂輸送ができれば、分離と濃縮が同時にできる有効な方法であると考えられる。我々は、カチオン交換膜を通して金属イオンを、選択的に上り坂輸送できる方法を見いだすとともに、アニオン交換膜を通して金属イオンの上り坂輸送と選択輸送できることを見いだした。 (1)UO_2^<2+>の輸送:カチオン交換膜を通して、溶離剤としてNa_2CO_3を用いることにより、各種金属イオン混合液からUO_2^<2+>を選択的に上り坂輸送できることを見いだした。また、UO_2^<2+>はSO_4^<2->と硫酸アニオン錯体を形成することが知られており、錯体としてアニオン交換膜を透過することができる。そこで、0.5M鉱酸中の0.01MUO_2^<2+>溶液を供給液として1M Na_2CO_3溶液を溶出液として輸送実験を行った。硫酸中のUO_2^<2+>のみが上り坂輸送され、塩酸および硝酸中のUO_2^<2+>はほとんど輸送されなかった。溶出液としては炭酸塩溶液が有効であった。とくにNa_2CO_3溶液が最も有効であった。UO_2^<2+>/CU^<2+>およびUO_2^<2+>/Ca^<2+>/Mg^<2+>の混合溶液から、選択的にUO_2^<2+>を輸送することができた。 (2)Fe^<3+>の輸送:Fe^<3+>はシュウ酸と安定な錯体を形成することが知られている。そこで左側に0.005M Fe_2(SO_4)_3,0,25M H_2SO_4,右側に0.25M Na_2C_2O_4を入れ、組成の異なる膜を用いて輸送実験を行った。輸送速度、輸送率は膜の組成により影響を受けることが認められた。溶離剤としてはNa_2C_2O_4が有効であり、H_2C_2O_4およびジカルボン酸であるマロン酸やコハク酸およびそのNa塩では上り坂輸送は起こらなかった。輸送速度、輸送率ともNa_2C_2O_4の濃度の増加とともに増大した。硫酸中のみならず、塩酸や硝酸溶液中のFe^<3+>も上り坂輸送された。Fe^<3+>/Al^<3+>およびFe^<2+>/Cd^<2+>の混合溶液から、溶出液としてNa_2C_2O_4溶液を用いることによりFe^<3+>が選択的に上り坂輸送されることがわかった。
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