研究課題/領域番号 |
05650912
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
朝倉 哲郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (30139208)
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研究分担者 |
出村 誠 東京農工大学, 機器分析センター, 講師 (70188704)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 固体NMR / 配向高分子 / 構造解析 / ポリアミド / タンパク質 / 絹 / 分子運動 |
研究概要 |
近年、高分子構造の構造解析の手段として固体NMR法が頻繁に用いられている。現在の固体NMR法の大半は、クロス-ポーラリゼーション-マジックアングルスピニング、CP-MAS法である。この手法によるピークの先鋭化によって、溶液のNMRと同様に化学シフトに基づく議論を行うことができるようになり、急速に固体NMRが普及することとなった。しかしながら、この手法は、固体構造に関する多くの情報を与える化学シフトテンソルの情報を消してしまっている。我々は、この情報を積極的に用いて構造解析を行うために、試料の15Nおよび13C同位体ラベルによってサイトを特定し、化学シフトテンソルを選択的に観測、そして解析する手法を開発することを目指した。この新しい手法が確立できれば、CP-MASNMRでは不可能であったX線回折に匹敵する原子座標レベルの固体構造の解明が可能であるとともに、X線回折では行うことのできなかった非晶構造の解明や得られた原子座標を用いての運動モデルによる詳細なダイナミックスの解析を行うことも可能となる。特に、この方法は高性能、高機能を有する配向試料についての分子の角度情報ならびにその配向分布などが直接決定できるようになるので、高配向構造を要求される先端高分子材料の分子設計のための有力な解析システムとなる。 実験では、配向試料の15Nまたは13C固体NMRスペクトルを磁場と試料繊維軸を変化させて測定し、固体NMR化学シフト理論に基づいて、それをシミュレーションすることによって、化学シフトの主軸方向と繊維軸となす角度およびその分布を決定し、続いて15N-13Cダブルラベル化合物について、双極子相互作用を検出することによって、分子軸方向と化学シフトの主軸方向のなす角度を決定。それらの角度情報を組み合わせて、原子レベルの構造を決定する手法を開発した。これによって、X線回折法では得られない非晶部の構造解析をも解析可能であることをポリアミド系高分子について実証した。また、分子運動を考慮した配向試料の固体NMR解析法の基本構想をまとめた。
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