研究課題/領域番号 |
05650915
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70153046)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 溶融紡糸 / 高速紡糸 / ネック状変形 / オンライン計測 / ポリブチレンテレフタレート / ポリエチレンテレフタレート / 伸長歪速度 / 慣性力 |
研究概要 |
高速紡糸は、紡糸工程のみで高配向・高結晶性の繊維を製造する技術である。高速紡糸過程中の溶融ポリマーは特異なネック状変形を起こすことが知られている。紡糸線上での繊維構造の形成機構の解明にはネック状変形の本質的な理解が必要であるが、ネック状変形の詳細なオンライン計測が難しいことなどから、その発生機構については不明な点が多い。そこで本研究では、以下に述べる2種類の新規な方法で、ネック状変形近傍の繊維の細化挙動の詳細な計測を試みた。 1.3台の外径測定器を紡糸線上に近接して設置し、ネック状変形の位置のゆらぎに伴う時系列信号の変化を利用したネック状変形のプロフィールの解析を行った。ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びポリエチレンテレフタレート(PET)の高速紡糸について測定を試みた結果、PBTのネック状変形終了点近傍の伸長歪速度は、紡糸速度の増加に伴い大きくなり、5km/minでは50ms^<-1>という著しく大きな値に達していることが明らかになった。一方、PETの場合は、同じ紡糸速度で比較するとPBTに比べ歪速度は10分の1程度で、ネック状変形の鋭さがポリマーの種類により著しく変化するとの知見を得た。 2.高速紡糸過程中のネック状変形をCCDカメラにより直接撮影することを試みた。シリンドリカルレンズを使用し、繊維の長さ方向と半径方向の倍率の異なる光学系を組むことなどにより、PBTの4及び5km/minにおけるネック状変形を、ネック状変形の位置の移動に伴う変化を含めて撮影することに成功した。撮影された画像から解析した歪速度は1.の解析結果とよい一致を示した。また、材料の加速に伴う慣性力により紡糸線に作用する張力が急激に増加するため、繊維の進行方向の鉛直方向からのゆらぎのようすが、ネック状変形を境に急激に変化する現象も明らかになった。
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