• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

オオムギの雑種不稔に関する遺伝・育種学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05660007
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 育種学
研究機関九州大学

研究代表者

小西 猛朗  九州大学, 農学部, 教授 (70033115)

研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードオオムギ / 雑種異常 / 不稔 / 重複遺伝子 / 雑種不稔 / 地理的分化
研究概要

オオムギにおける遺伝子支配による雑種不稔の報告は未だない.著者はオオムギおよび近縁野生種を含む多くの交雑実験の中で,中国の「大冶1」とエチオピアの「Mota 10」との雑種が部分不稔を示すことを見い出した.そこで,「大冶1」と「Mota 10」を検定親として種々の交雑実験を試みた.
1)正逆交雑F_1の種々稔性はいずれもおよそ75%と低下し,F_2では可稔型と不稔型の分離が7:5の分離比に適合した.さらに,戻し交雑ではF_1を雌親にしたとき交雑稔性が約75%に低下したが,逆交雑では正常な交雑稔性を示した.これらの結果から,この雑種不稔は細胞質の差異によって影響されることなく,2種の重複遺伝子(sfgおよびsfg2)によって支配され,両劣性遺伝子をもつ雌性配偶子のみが不稔となると結論した.
2)雑種不稔に関与する遺伝子の地理的分化を調べるために,「大冶1」と「Mota 10」を世界の多くの品種や近縁野生種spontaneum種の系統と交雑し,それらのF_1の稔性を調べ,各品種や系統の遺伝子型を推定した.「大冶1」と同じ遺伝子型sfg Sfg2をもつ品種は中国をはじめ,朝鮮半島や日本に分布していた.これに対して,「Mota 10」の遺伝子型Sfg sfg2をもつ品種は1例を除き,すべてエチオピアでみられた.両優性Sfg Sfg2遺伝子型は世界に広く分布するとともに,近縁野生種もこの遺伝子型であった.この結果に基づき,雑種不稔に関与する遺伝的分化について,つぎのように推論した.すなわち,オオムギの始原型はSfg Sfg2遺伝子型であり,世界に伝播する過程で,東アジア(おそらく中国)においてSfg→sfgの劣性突然変異が,エチオピアにおいてSfg2→sfg2の変異がそれぞれ独立に生起したと考えられる.

報告書

(2件)
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] FUKUSHIMA,Yoshihisa: "Genetic studies on hybrid sterility in barley" Japanese Journal of Genetics. 69. 719-726 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Konishi,T.: "Genetic analysis of hybrid sterility in barley" Barley Genetics Newsletter. 21. 51-53 (1992)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 福嶋,〓久: "オオムギの雑種不稔に関与する遺伝子の地理的分布" 育種学雑誌. 43(別2). 193, (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi