研究課題/領域番号 |
05660009
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
北野 英己 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50144184)
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研究分担者 |
中村 郁郎 (財)岩手生物工学研究センター, 遺伝子工学研究部, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Oryza Sativa L. / Mutant / qibberellin / Cell wall / Internode / Shoot growth / cDNA / Uniconazole / イネ / 突然変異体 / 節間伸長 / 細胞壁 / ジベレリン / 細胞伸長 |
研究概要 |
イネ品種、コシヒカリのr線照射に由来する節間伸長高進性突然変異体(アワオドリ)を用い形質を支配する遺伝子(ao-1)の遺伝様式を調べるため、3種の矮性遺伝子(d-1、d-18、d-35)標識系統と交雑した。その結果、F_2では、何れの組合わせについても2因子性の独立遺伝を示し、変異体型の分離比からao-1がこれら矮性遺伝子に対して上位に作用することが明らかとなった。また、F_3の矮性(d-18ホモ型およびd-35ホモ型)個体から分離するao-1型(二重劣性型)は、変異体と区別不可能な程類似した特徴を有することから、変異体の高進性は、ジベレリン生合成の高進変異に起因するものでは無いことが明らかとなった。次に、変異体の成長ホルモンに対する反応性を調べるため、ジベレリン(GA_3)およびGA合成阻害剤であるウニコナゾールの生体処理実験を行った結果、ウニコナゾールによる変異体の伸長阻害効果は、正常型に比べ10倍以上の高濃度を必要とした。また、変異体の成長阻害はGA_3では回復されなかったことから、変異体ではGAに対する正常な感受性を失っているものと推定された。一方、ao-1ホモ型の幼苗期の形態形成過程を調査した結果、本変異体の成長に見られる高進性は地上部茎葉のみに見られ、地下部に対しては顕著な発現は認められなかった。また、茎葉の高進性は、頂端分裂組織の横方向への分裂低下による肥大抑制と、軸方向への細胞分裂活性の増加を伴う伸長促進によって引き起こされていることが判明した。 変異体の茎葉から抽出した可溶性および細胞壁結合タンパク質をO'Farrellの2次元電気泳動法により分析した結果、数個の特異的スポットが見い出された。現在、これらタンパク質のアミノ酸配列の同定を進めている。また、変異体特異的に発現するmRNAの同定を伸長節間から抽出したmRNAを用いてcDNAライブラリーを作成した。これから任意に選抜した202個のクローンの部分配列からホモロジー検索を行った結果、約21%のクローンで既知の遺伝子との相同性が認められたが、今後、単離を含めて更に詳細な同定作業を進める予定である。
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