研究課題/領域番号 |
05660030
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
手塚 修文 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (10109316)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 紫外線 / near-UV / 光合成 / 呼吸 / 生長促進 / タンパク質 / ビタミンC / ニコチンアミドヌクレオチド |
研究概要 |
紫外線(UV)は生物に害作用を及ぼすという概念が定説として信じられている。現在、太陽から地球に到達しているUVは290nm以上の波長であるにも拘らず、生物に及ぼすUVの影響に関する従来の研究は、地球に到達していない人工光であるUV波長域の作用による実験結果を鵜呑みにしてUV全波長域(人工光UV;200-290nm+太陽光UV;290-400nm)の作用一般として結論を導いている例が多い。この結論から、地球に到達している太陽光UVの全波長域は(290-400nm)は、生物に悪影響のみを及ぼすという認識が通説(定説)になっている。我々も、当初、この通説に従って研究を開始したが、この通説は適切ではなく、逆に我々は『現在の地球に到達しているUV(290nm以上の波長域、特に近紫外光,near-UV;300-400nm)はむしろ陸上植物(園芸植物)の生育には必須要因であり、且つ生長を促進する』という重要な現象を世界に先駆けて発見した。つまり太陽光中のUVは植物の生育(茎長・新鮮重・乾物重)を促進した。これはUVによる葉のクロロフィル含量の増加に伴う光合成活性の促進、または呼吸活性の促進などに起因していた。これらの促進に基づく炭素代謝調節系および硝酸還元活性の促進に基づく窒素代謝調節系における反応をUVは円滑にしていることに著しく関係していた。この結果、可溶性タンパク質含量・ビタミンC含量・ニコチンアミドヌクレオチド含量などもUVにより増加しており健康な植物体の発育促進・老化抑制などの誘導、いわゆる太陽光中の紫外線(290-400nmの波長)は植物の生育には必須要因として作用しているという発見をして幾つかの研究成果を発表している。これは上記の定説を覆したことになり、国の内外の研究者・出版関係者および報道関係者などにも現在、注目されている。
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