研究課題/領域番号 |
05660094
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
嶋尾 正行 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00032285)
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研究分担者 |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 助手 (00233106)
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ポリビニルアルコール / ビニルアルコール共重合体 / 生分解性高分子 / 共生細菌 / Pseudomonas sp.VM15C / PVAデヒドロゲナーゼ / ピロロキノリンキノン / クローニング |
研究概要 |
本研究者らはポリビニルアルコール(PVA)が共生細菌によって分解されることを発見し、その共生機構を明らかにしてきた。その共生系は特異なPVA分解菌と、それがPVAを分解する際に必須の増殖因子として要求するピロロキノリンキノン(PQQ)を供給する細菌によって構成され、PQQがビタミンとして作用するはじめての例を示した。また、そのPQQの作用酵素として、分解菌にPQQを補酵素とする新規なPVAデヒドロゲナーゼを発見している。また、この酵素とは別に、酸素を電子受容体とするPVA酸化酵素であるPVAオキシダーゼも存在することを見いだした。さらに、この共生細菌系によるPVA分解は、分子鎖の切断がポリマー主鎖の任意の位置に起こるエンド型のものであることを見いだしている。このことはビニルアルコールと他のモノマー単位からなる共重合体も共生細菌によって分解しうる可能性を示している。そこで、本研究では有用な生分解性ポリマーを開発するための基礎的知見を得ることを目的として、PVA分解共生細菌を用いてビニルアルコール共重合体の微生物分解を行い、分解性とポリマー構造の関係を明らかにすることを行った。その結果、(1)ビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体と考えられる未ケン化部分を有するPVAでは、酢酸ビニル残基が20%までの範囲ならば共生系によって良好に分解資化されることがわかった。(2)ビニルアルコールとアクリル酸の共重合体を合成し、分解試験を行ったところ、アクリル酸含量8%までの共重合体は共生細菌系によって分解資化されることがわかった。(3)分解力の強力なPVA分解菌を育種しビニルアルコール共重合体の分解に適用することを目的としてPVA分解菌Pseudomonas sp.VM15Cより、PVA分解酵素遺伝子のクローニングを行い、PVAデヒドロゲナーゼ遺伝子をクローン化することに成功した。
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