研究課題/領域番号 |
05660108
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小幡 斉 関西大学, 工学部・生物工学科, 教授 (00067646)
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研究分担者 |
河原 秀久 関西大学, 工学部・生物工学科, 専任講師 (10234105)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 氷核活性細菌 / 菌体外氷核活性微粒子 / 氷核形成温度 / 氷核形成頻度 / ブロテアーゼ / ジアミンオキシダーゼ / Erwinia uredovora / 野沢菜 / プロテアーゼ / 永核活性細菌 / 菌体外永核活性微粒子 / 永核形成頻度 / 永核形成温度 / ジアミンオキシターゼ / Erwinia uredovora KUIN‐3 / Pseudomonas fluorescens KUIN‐1 |
研究概要 |
氷核活性細菌が菌体外に氷核活性微粒子を分泌することは知られている。そこで、当研究室では、培養液中に含まれる氷核活性微粒子を、1)遠心分離、2)膜分離、3)ショ糖遠心法、4)ゲルろ過クロマト分析などによって精製することが初めてわかった。その精製された菌体外氷核活性微粒子を電子顕微鏡で見た結果、ほぼ球状で、直径は約200nmでした。その微粒子の構成成分を調べた結果、タンパク質、ポリアミン、脂質、糖などが含まれていることがわかった。それらの成分中が氷核活性にどのような影響を及ぼしているかを調べた。まず、タンパク質の影響を調べるために、プロテアーゼを微粒子に添加した結果、氷核形成温度と氷核形成頻度が著しく低下した。つぎにジアミンオキシダーゼを添加して微粒子の氷核活性を調べた結果、微粒子の氷核活性が低下することがわかり、ポリアミンが氷核活性に関与していることが初めて明らかになった。どのようなポリアミンが氷核活性に関与しているのかを調べた結果、スベルミジンが氷核活性に関与していることがわかった。リバーゼとα-マンノシダーゼ、β-ガラクトシダーゼの影響について調べた結果、リバーゼは氷核活性をわずかに低下させていた。しかし、他の2つの酵素の影響は認められず、糖の関与はないものと思われる。 農家の人々の長い間の経験で野沢菜は凍霜害を受けた野沢菜を漬け物にすると旨味が出ると言われている。そこで、菌体外氷核活性物質の応用研究として、野沢菜の葉に菌体外氷核活性微粒子を散布して、野沢菜に人工的に凍霜害を受けさせて漬け物にした野沢菜と無散布で凍霜害を受けていない野沢菜と旨味や糖濃度について調べた結果、人工的に凍霜害を受けた漬け物が旨味があり、糖濃度も高いことがわかった。今後は、食品の凍結剤としての利用も期待できる。
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